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脳の進化と他者理解、そして自己観察する力

公開日: : プロが使うコーチングMINI

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 仕事のプロのためのコーチング技術 MINI 2012/12/16
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 コンサルタント(Consultant for you)の若狭 喜弘(Yoshi:よし)です。

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 続けてまたこの本から。

    単純な脳、複雑な「私」
    By 池谷裕二
    http://astore.amazon.co.jp/hitotoikimono-22/detail/4255004323

 今回は、『脳の進化と他者理解、そして自己観察する力』のお話。

 池谷さんはすごい方ですね。
 この本に書かれている内容を、出身高校で話したというのだから。
 というか、出身高校で講演された内容をまとめたのがこの本です。
 全校生徒への講演と、希望者への3日間の特別授業の内容が、ギュッと1冊
にまとめられています。

[注意]
 講演の筆記録なので、話し言葉の不確かさから、主語が別のものに入れ替
わっている個所があります。
 それが「脳の場所」なので、私(Yoshi:わかさま)は話が分からなくなり、
混乱しました。
 版を重ねるごとに修正されている可能性がありますが、
 これから本書をお読みになる方は、その点を承知の上お読みください。
 大事な個所は、原著論文をお読みなることをお勧めします。

--------------------------------

 今回のテーマに関する箇所を、整理します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 鳥の羽根が元々防寒のためのもので、それを「使い回して」空を飛ぶ道具
にしたように、ある目的のために進化してきた機能を「使い回して」別の目
的に使うのはよくある話です。
 脳も同様に、動物は進化の過程で、最初は「他者モニター」にだけ使った
のだろう。
 視野の中に何か動くものが見えたら、それが動物かどうか、そして、それ
が自分に対して好意を持っているのか、あるいは食欲の対象として見られて
いるのかを判断することは重要です。だから、動物の脳には、「他者の存在」
や「他者の意図」をモニターする回路が組み込まれているはずだ。
 それが高等な霊長類になると、行動の模倣、つまり「マネ」をする能力に
進化する。
 マネをするというのはかなり高等な能力で、他人のやっていることをただ
眺めているだけではダメで、その行動を理解して、さらに自分の行動に置き
換える必要がある。鏡に映すように自己投影する能力がないとマネはできな
い。模倣の能力がある動物は、環境への適応能力が高いし、社会を形成でき
る。
 ヒトの場合はさらに、自分を他人の視点に置き換えて自分を眺めることが
できる。鏡がなくても自分の視点を体外に置くことができる。
 そして、その能力を「自己修正」に使っている。自分の欠点や苦手なもの
など、自分を一歩引いて考える。
 そういう「心」の構造は、長い進化の過程での迂回路に刻まれた能力の
「転用」ではないかと考えている。

 「自分の身体の表現を通じて自分の内面を理解する」という心の構造につ
いて、僕(池谷さん)の仮説の話をしよう。
 なぜ自分の脳が自分の脳を直接理解しようとしないのか?なぜ二度手間を
踏むのか?
 おそらく、進化の過程で、動物たちは他者の存在を意識できるようになっ
た。そして次のステップでは、その他者の仕草や表情を観察することによっ
て、その行動の根拠や理由を推測することができるようになった。他者の心
の理解、これが社会性行動の種になっている。
 この他者モニターシステムを「自分」に対しても使えば、今度は自分の仕
草や表情を観察することができるようになった。すると、他者へと同様に自
分の行動の理由を推測することができるようになる。
 こうした他者から自己へという観察の投影先の転換があって、はじめて自
分に「心」があることに自分で気づくようになったのではないか。
 これは、先祖の動物が「他者を観察できる」ようになっていたことが前提
にある。

(単純な脳、複雑な「私」 P178-181 より引用)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 要約すると、
 生物の進化を眺めると、脳や心に関する進化も、

     「他者を観察できる」
         ↓
     「他者の意図を推測できる」
         ↓
     「自分を観察できる」
         ↓
     「自分の心に気づく」

 のように起こったのではないか、と仮説を述べられています。
 「これは、意図をもってこのようになったというよりも、それぞれのステッ
プが進化の過程で必要で、そして、一旦身につけたものを使って次のステッ
プの進化をしたと考える方が自然」と。

 「他者」であれば、冷静に判断できますから。
 目の前の「他者」が、

    「敵・害がある」か
    「味方・益がある」か
    「影響しない・無意味」か。

 これは大切ですね。
 生き延びるための大切な判断ですから。
 必死に能力を高め、相手の意図を読み取ろうとしたのでしょう。

 そして、その能力を使って、自分の今の状態が、自分に対してどんな影響
を与えるか、それが判断できれば「強い」ですね。

--------------------------------

 これって、自分がどのように感じるかという、

   「世界の中心である私一人」の世界から「社会の中でいろいろな関係
   がある私」への視点の拡大

 のお話ですね。

 そして、自分自身を客観視するには、このような手順を踏まなきゃならな
いと。

 『仕事のプロのためのコーチング』の稿からすると、この話はこんな風に
使えそうです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 自分自身を客観的に見つめて欲しい部下がいるとします。
 客観視できないので、自分の都合の話しかしません。
 それは、「しない」のではなく、やり方を知らないので「できない」ので
す。

 そのような部下には、

     「他者を観察できる」
         ↓
     「他者の意図を推測できる」
         ↓
     「自分を観察できる」
         ↓
     「自分の心に気づく」

 をたどるサポートをしてあげてください。

 面談では、以下の段階を踏んで部下に自分自身と向き合ってもらってくだ
さい。

   ①まず、「他者の意図を推測できる」これが十分にできていないので
    しょう。
   ②結論を最初から決めつけないで、今ある状況から推測する訓練をし
    てもらいます。
   ③そして、自分の行動を他人の目から見るとどのように見えるか、想
    像してもらいます。
   ④最後に、そのような行動の根っこにある、『自分が感じていること
    の本音』『思い込み』に向き合ってもらいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 お試しください。

--------------------------------

 以上、生物の進化と脳の進化、他者と自分を理解することについて、考え
てきました。

 あなたは脳の進化をどのように利用しますか?

                  若狭 喜弘(Yoshi)

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