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会話の主人は?

公開日: : プロが使うコーチングMINI

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 仕事のプロのためのコーチング技術 MINI 2012/11/11
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 コンサルタント(Consultant for you)の若狭 喜弘(Yoshi:よし)です。

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 前回は、この本

   ナーシングビジネス 6巻10号
   特集「コーチング入門」
   From メディカ出版
   http://astore.amazon.co.jp/hitotoikimono-22/detail/4840439613

 を買う段でのやり取りが印象的でしたので1本の記事にしました。
 もともとは、今日の内容を書こうと書き始めたのでした。

 上記雑誌は、私(Yoshi:よし)のコーチングを振り返るのに導いてくれま
した。

 もちろん、記事はナースのための記事です。
 会話例も、病院内の例です。

 コーチングの全体像が書かれた本を読むのが久しぶりでしたので、頭の掃
除、もしくはさび落としになりました。

 もし、特集で書かれた項目についてもっと詳しくお知りになりたいようで
あれば、下記の書籍も併せてお読みください。
 どちらも名著です。

  ●コーチング・バイブル―本質的な変化を呼び起こすコミュニケーショ
   ン (BEST SOLUTION)
   By ヘンリー キムジーハウス, フィル サンダール, キャレン キムジー
   ハウス
   http://astore.amazon.co.jp/hitotoikimono-22/detail/4492557156

  ●ロバート・ディルツ博士のNLPコーチング
   By ロバート・ディルツ
   http://astore.amazon.co.jp/hitotoikimono-22/detail/4899761090

--------------------------------

 ここまでが前段で、落語でいう「枕」です。
 さて、本題。

 実は最近、あるコーチングの言葉に引っ掛かりを感じていました。
 それは、

    『アクティブ・リスニング』

 この言葉を聞いて、どのような聴き方が『アクティブ・リスニング』であ
るとお感じになりますか?

 普通なら(何が普通かは難しいところですが)、
 おそらく多くの意見では、

   「コーチが主導権を持って働きかけて、聞き出していく」

 ものだとお思いになると思うのです。
 ですので、コーチング勉強会で「アクティブ・リスニング」を強調される
と、違和感が高まりました。

 私の中では、

   「コーチングの時間は、クライアントのモノ」

 は絶対ですから。
 今回紹介した雑誌の特集でもそのように書かれていて、「アクティブ・リ
スニング」の言葉は使われていませんでした。

 でも、お互いに間違ったことを言っているはずはありません。
 だから、『アクティブ・リスニング』ってどう理解したらいいのかな?
 というのが、私のテーマとなっていました。

 参考までに。
 ICF(国際コーチ連盟)が技術の認定をする際の基準として定めたコア・コ
ンピテンシーに以下の記述があります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
C. 効果的なコミュニケーション
 5. アクティブ・リスニングをしている
   クライアントが言葉で表現していること、表現していないことについ
  て完全に集中して聞くことができ、クライアントの要望内容から言われ
  たことの真意を理解し、クライアントの自己表現をサポートする能力が
  ある
  a.  コーチがクライアントのために用意する課題ではなく、クライア
   ント自身とそのクライアントが持つ課題に注意を払うことが出来る
  b.  何ができ何ができないかについてのクライアントの懸念、目標、
   価値、信念を聞くことができる
  c.  言葉づかい、声のトーン、ボディランゲージからメッセージを聞き
   分けることができる
  d.  クライアントの話を明確に理解したかどうかを確認するために、ク
   ライアントが言ったことを要約したり、言い換えたり、繰り返したり
   して言い直すことができる
  e.  クライアントの感情、認識、懸念、信念、提案などを表現すること
   を促し、それを受け入れ、探求し、後押しすることができる
  f.  クライアントのアイディアと提案を統合し、展開させることができ
   る。
  g.  クライアントが交わしているコミュニケーションの本質的な部分を
   理解し、長くて回りくどい説明を抜きして、核心にたどり着くことを
   援助する
  h.  次のステップに前進するために、批判や判断を加えずにクライアン
   トが状況を打開できる

(ICF コア・コンピテンシーより引用)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「アクティブ・リスニング」と書かれているのは、項目のタイトルだけで
す。
 それ以降に書かれていることがその意味することであるとすると、

   「クライアントとの会話に積極的に参加する」
   「積極的に参加するとは、
      注意を払うこと、
      聴き分けること、
      言い換えたり繰り返すこと、
      受け入れ、探求し、後押しすること、
      統合し、展開させること
      本質に素早くたどりつくように援助すること」

 が、意図することのようです。
 すると、

   『会話に受け身ではなく、積極的に参加する』

 という意味しかありません。
 英語の意味も、

    アクティブ:積極的な,能動的な(⇔passive:パッシブ、受身的な)

 で、「意図を持って関わる」という意味はありません。
 日本語の言葉の内側には、「積極的に with 意図」という感覚があるから
でしょう。
 どうもそれに引っぱられているようです。

 それを誤解したまま「アクティブ・リスニング」のコーチングをすると・・・・

    「導くコーチング」

 になってしまうのですね。
 これは、コーチングではありません。

--------------------------------

 ところで、途中に書いた、

   「積極的に参加するとは、
      注意を払うこと、
      聴き分けること、
      言い換えたり繰り返すこと、
      受け入れ、探求し、後押しすること、
      統合し、展開させること
      本質に素早くたどりつくように援助すること」

 これらは、コーチが常にやっていることです。
 クライアントのすべてを聞き、つぶさに観察します。
 そして会話をするのです。

 会話が行き詰ったら、・・・・・・

 最初に紹介した雑誌では、このようにしていました。

   「お話を伺っていて、1つ感じたことがあります。お伝えしたいので
    すが、よろしいですか?」

 フィードバックです。

 方法はいろいろあります。
 このようにフィードバックを選ばなくても構いません。

 コーチ側、クライアント側、テーマ、タイミングによっても方法の選択肢
はたくさんあります。

 でも、私(Yoshi:よし)は、フィードバックが一番効果的かな、と感じま
す。

   「私は、このように見えます。」
   「私は、このように感じます。」
   「私は、お話を聴いて、こんなことを考えました。」

 これは、クライアントを大切にしていますね。
 クライアントを変えようとしていません。
 クライアントの今のそのままを大切にしているというメッセージです。
 会話の主人公がクライアントである、という意思が感じられますよね。

 もちろん、「(違う視点から眺めることを促す)質問」も効果的です。
 (本来、コーチングの質問は「違う視点から眺めることを促す」ためのも
  のです。
  ですが、「誘導のための質問」「自分の情報収集のための質問」になり
  がちです。)

 ただ、「質問」の際には、「クライアントが現在どの状態にあるか」を完
全に把握できていないと適切な質問にはなりません。
 「コントロールしようとしている」と思わせてしまうかもしれません。
 「質問する」ということは、立場が上であると感じる傾向が強いものです。

   「クライアントが現在どの状態にあるか」

 を把握しようと努めるのがコーチであるし、

   「他人であるクライアントの状態を完全に把握することはできない」

 と知っているのもコーチです。

 これらを理解し、努力するのがコーチであり、コーチングの場です。
 だからこそ、それを実現するために、もともとの英語の意味で使われてい
る「アクティブ・リスニング」が大切になってくるのですね。

 今回でてきた言葉を以下に並べました。
 あなたはどうまとめますか?

    ●受身の会話と積極的に関わる会話
    ●クライアントが主になる会話とコーチが主になる会話

 「コーチングになる会話」は、どのようにした会話でしょうか?
 今回は触れませんでしたが、「クライアントとコーチは対等」という視点
も併せて考えましょう。

 どのような会話をコーチングと呼びましょうか?
 あなたはどのような会話をしますか?

 あなたの視点をぜひ教えてください。

※雑誌記事を読んで、こんなことも専門用語なんだな、と思ったこと。
 「主任」と「師長(おそらく昔の婦長のこと)」の立場関係がわからず、
会話の効果や背景の状況が「?」となりました。
 どちらが上位で、役割がどのように分担されているのでしょうか。
 推測すると、「主任」の上に「師長」がいらっしゃるのでしょうね。

                  若狭 喜弘(Yoshi)

※『がんばろう日本 三方よしプログラム( http://p.tl/8J5q )』
 私が主催、提供するサービスは、すべてプログラムに則って被災地支援に役立てます。
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