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「怒る」「怒鳴る」「叱る」「殴る」

公開日: : et cetera

このような記事がありました。

落合博満&桑田真澄の体罰に対する考えがスゴイ!殴ることで証明されるもの、指導者の力量不足
http://matome.naver.jp/odai/2135791002863231601?&page=1

「怒る」「怒鳴る」「叱る」「殴る」は、それぞれ別ものです。

「怒る」:感情的に反応する。
「叱る」:相手の成長を願って、ダメだった点を伝える。

区分することで「感情」をコントロールできるのであればしていただければいいですよ。
でも、僕はこれにも賛同しません。

それでは、「対等の視点」にはなっていないですね。

~~~~~~~

ロボット教室でも、もちろん「怒る」「怒鳴る」ことはあります。
さすがに「殴る」はしません。
手出しをしなくても、僕は「怒る」だけで十分怖いそうなので。

「怒る」のは、
一つには、生徒数に対して先生の数が多く、制御しきれない時。
本来、身体で向き合いますが、
身体の数が足りない時は、「声で」制御します。

ロボットづくりに興味を持たずに歩き回るのは問題外ですが、
少しわからない点があるとすぐに
「先生、来て~~」
「先生早よ来い。1,2,3,4」
と呼びつける生徒。

テキストに書いていることをきちんと読まず、
勝手に読み飛ばして必要なパーツがついていないから、というのもよくある話です。
自分では作らずに、ほかの生徒が作っているロボットやパーツケースに興味を持って触る生徒。

作る気がなくて机の下に潜り込む生徒。

最初は友達同士のつもりでちょっかいを出し合っていても、少し痛い思いをした時に本気で手足を出し合いはじめる生徒。

このような時に「制御しきれない」と思います。

~~~~~~~

もう一つには、
先生や大人をなめている?もしくは甘く見ていて、
「これ以上してはダメ」という境界を越えた時。

「境界」を知らせるため、
「本気」を知らせるため、
「大人にも、向き合って真剣に怒る人がいる」と知らせるため、

大人として怒ります。

ロボットの「作業準備室」に勝手に入り、勝手に道具やロボットを持ち出す生徒。

教室の教室運営上置いてあるロッカーを開けて中を物色する生徒。

先生のカバンの中をあさった生徒。

ほかの生徒の財布を隠した生徒。

教室の予備パーツを勝手に自分のものとして持ち去る生徒。

ほかの時間帯の生徒の、教室に置いているロボットを勝手に持ち出して動かす生徒。

ロボットそっちのけで、持参したスーパーボールで野球を始めた生徒。

ロボットそっちのけで、ニンテンドーDSをやり続ける生徒。

お菓子を食べる生徒。

ロボット作成用に置いている長テーブル上に乗って歩き回る生徒。

~~~~~~~

殴ること、体罰を与えることでは何も解決しません。
それは殴る側の自己満足です。

もしくは、自分を守るためにそうしている、と見えることもあります。

そんなときには、「生徒のための教室」という一貫性も見えません。

つまり、理由があいまいで、
「あの先生が怒りの感情を持ったから怒っている」
とだけ思われる訳です。

~~~~~~~

ただ、僕のような怒り方でも、
エネルギーがたくさん要り、ヘロヘロになります。

それまで、十分注意深く様々なことを見ています。
原因やきっかけになりそうなこと。・・・・手を出した方が悪いばかりではありませんから
限度を越える行動をする瞬間を見逃さない。

そして「怒る」時には、
真剣に、腹の底から、
当該の1名~数名に対してのみ焦点を絞り、
生徒として許容される行動との差を説明し、
その瞬間後の表情、行動を観察する。

だから、体力を使い果たすので、1日に何回も怒りたくないのです。
生徒にもそう言ってます。

~~~~~~~

「殴る」とか「連帯責任」とか「腕立て伏せ100回」とか、
関係ないことをする意味がわかりません。

~~~~~~~

そうそう。
僕はこの塾の経営者ではありませんが、
他の先生に伝えていることがあります。

『感情に任せて切れて怒ってはいけませんよ。
 しかし、傷ついた感情を我慢して溜め込むのはよくありません。
 自分の気持ちをまっすぐに真剣に生徒に伝えてください。
 どうでもいい、あまり本質でない規則で縛らなくてもいいですが、
 「絶対に越えてはいけない境界」だけは教えてあげてください。』

~~~~~~~

もう少し追加。

僕の考える教室のルール

・期間内にロボットを完成させる。時間の使い方は自由。

・ほかの生徒の邪魔をしない。
 直接の攻撃、邪魔、大声、床にドスンドスンするなど。

・先生の私物を触らない。
 教室の備品を許可を得ずに触らない。(ホワイトボードを含む)

・怪我をする可能性のあることをしない。
 つまり、パーツの棒を、自分の眼、鼻、耳、口に入れない。
 入れて歩き回らない。
 ほかの生徒に冗談でも同様のことをしない。

・怒る対象ではないですが、
 入退室時のあいさつ、ありがとう、ごめんなさいを
 先生の側からきちんと言うようにしています。

~~~~~~~

よく考えると、たいがいの場合、
「怒る」状況は、
教室運営や先生側が作りだしているのです。

生徒への説明不足かもしれないし、
してはいけないことを真剣に止めていなかったからかもしれないし、
先生によっていうことが大幅に違うからかもしれないし、
観察不足かもしれないし。

さらに、
「ロボット教室で提供すること」が、先生間で共有されていないからかもしれません。
誤解されそうなので付け加えると、
「ロボット教室で提供すること」の様々なことを矛盾なく、一貫性をもって理解されているか、
ということです。
これは、経営者であっても、経営者自身の都合で、できていない場合がありますよ。
「見えないマイルール」って、どうしてもあるものです。

「怒る」のは、「怒る側」が至らないからだ。
という話になっちゃいました。

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