Vol. 48 [嵐の日、乱れた列車ダイヤを体験しながら気づいた危機管理マネジメント]
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Core Infinity 通信
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Core Infinity 通信【Vol. 48】 2012/04/05
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またまた、前回から時間が空きました。
もう、入学式や桜の季節ですね。
つい先日、春の嵐が全国に吹き荒れました。
今回はその時の話です。
【嵐の日、乱れた列車ダイヤを体験しながら気づいた危機管理マネジメント】
4月3日はすごい風でした。
地域によっては、雹が降ったり、暴風雪になったところもあったとか。
翌日も似た気象状況だったようです。
その瞬間、どのように過ごされましたか?
私(Yoshi:よし)は、4月3日の午後、大阪で従業員様向け研修セミナーで
お話をしました。
その帰り、大阪地下鉄御堂筋線が止まり、JRが止まり、そのご動き出した列
車に乗って普段の倍の3時間半をかけて自宅に戻りました。
翌日の新聞では、通った瞬間は比較的スムーズに歩けた通路が人でびっちり
と埋まっていまして、
「動き出したのが早くてよかったなあ」
「余裕を見せて食事などしていなくてよかったなあ」
と心底思いました。
当日は午後10時からスカイプミーティングが予定されていて、何としてで
も帰る必要がありました。
長時間の移動の途中、手持ちの機材でも、スカイプの通話だけなら可能とは
気づきましたが。
(その日は、セミナーで使う目的で、Wimaxのモバイルルータと、タブレッ
ト、丁寧にノートパソコンまで持っていました。)
それで、今日のお話は、「帰るのが大変だった」という体験談ではなくて、
JRの駅員さんを見ていて教訓的として感じたことをお伝えします。
列車が止まったのは、列車が走る前線の内ほんの一部区間で風が強くて「列
車の走行に適さない」と判断されたからです。
どういうことかというと、
「一部不良区間があるので、すべてが使えなくなった」
というわけでした。
今回は新大阪駅周辺で具合が悪かったのですが、以前から神戸付近で車両故
障や遮断棒が折れていたら、京都、滋賀付近でも列車が止まることがありまし
た。
私が普段利用する東海道線・山陽本線の路線は、西は岡山県の播州赤穂駅か
ら、東は福井県の敦賀駅まで総延長275㎞もあります。
もちろん、すべての列車が両端の駅の間を行き来しているわけではありませ
ん。
それにしても、275㎞のどこかで障害が出たら、すべてが止まってしまうと
いうのは、どう考えても合理的ではありません。
もっとも、両端付近にお住まいの方には申し訳ありませんが、
その付近で事故など障害が起こった場合は、「途中折り返し」で対処をして
いるように思います。
ですが、大阪駅近くで事が起こると、・・・・・
全面的に止まってしまいます。
で、駅員さんもパニックというか、情報が滞ってしまって、お客さんからの
問い合わせにも1メッセージを伝えるのみになったりします。
(例えば今回は、「阪急電車は京都まで動いているようです。そちらをご利
用ください。」など
私は、その先まで行きたいのですが。)
これからやっと本論ですよ。
その時の、対処している駅員さんの注意がどこを向いているか、考えてみま
した。
すると、
「障害を何とかしなきゃ」
「車両の順番を時刻表通りに早く回復させなければ」
「乗務員の勤務の順番を時刻表通りに早く回復させなければ」
「それまでお客さんには、ほかの代替手段を使ってもらおう」
「利用客数が多い、都市圏(京都~大阪~神戸)をまず何とかしなけ
れば」
とおそらく思って行動されていたはずです。
まあ、間違いではありませんね。
でも、私の体験がある京都より東側もまた、お客さんの数は多いんですよ。
職場が京都、滋賀に自宅がある人もまた多くいらっしゃいます。
ですので、私が大阪から列車に乗っていると、京都で大勢降りられますが、
また大勢が乗り込んでこられます。
それをJRの指令、もしくは路線管理をされている方はご存じないように感じ
てます。
この例の最適解を探すとしたら、
「障害がある区間以外で折り返し運転する」
しかありません。
お客さんは、
「列車番号を指定して乗り込んでくるわけでも」
「もともとの時刻表の発車時刻通りの列車が来ることを望んでいるわ
けでも」
ありません。
「時刻表で約束された時刻あたりに来た列車で、目的地に約束通りの
時刻にたどり着ければよい」
のです。
JRの対応のように最適な答えを採用せずに、変なこだわりがあるように見え
ますが、人間一般の心理を考えると、納得できます。
ある意味、仕方ないことです。
●障害のある個所にどうしても関心が向く。
●恒常性という、「いつもと同じ状態を保ちたい」という心理が働く。
と書くと、「そうだ」と思いませんか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一つ目の「障害のある個所」は、『変化があった個所』です。
もう少し付け加えると、『中学校の校内暴力』や『騒ぐ新成人』といった、
目立つところについ目がいきます。
一方、「部活に夢中な中学生」や「式典の後の懇親会を楽しみに待っている
新成人」はニュースにもなりませんし、「なんとかしよう」とも思われません。
それでいて目立つ人たちへの対処を優先されて、迷惑を受けるのは、「部活
に夢中な中学生」や「式典の後の懇親会を楽しみに待っている新成人」です。
今回の例ですと、通常運行できている区間を利用している利用者です。
あまり適切な言葉ではありませんが、「普通な」「目立たない」人をきちん
と守れば、影響を受ける当事者の数をぐっと減らすことができます。
このことを考えていて、
「目立つ人への対処をしている間に、ほかの人をクレーマーにしてし
まった」
と似た話じゃないか、と気づきました。
危機管理マネジメントとは、
災害時の治療優先順位を決める救急トリアージと同じで、
「通常通りに正常な部分を運営し続けるグループ」と「障害を解消するため
行動するグループ」に分け、両方をきちんと見続けることではないでしょうか。
そうしたら、「目立つ人への対処をしている間に、ほかの人をクレーマーに
してしまった」といったことは少なくなるでしょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
二つ目の「いつもと同じ」は、普段考えずに習慣化して、自動的な行動をし
ていたことを指します。
人間は楽をしようとします。
それは習性です。
決して悪いことではなく、楽をすることで、別の分野に関心を向けることが
でき、創造性を発揮してきたと言えます。
だから、人間の知恵、成長の糧だと言えます。
でも、あまりにそれに固執すると、・・・・・
硬直化します。
「ほかの人も同じように考えているはず。きっと」
という前提です。
ひとそれぞれの『いつもと同じ状態』が違いますので、「そりゃトラブルに
なる」というわけです。
心理学的に言うと、
このような『(いつもと同じ状態にしたいという)問題解決型テーマ』に自
動反応として人は飛びつきやすいです。
だって、わかりやすいですからね。
元に戻すということだと、
「行動の結果のゴール」はわかりやすいし、達成基準ははっきりしている。
「障害を何とかしなきゃ」とする行動に賛成する声は出ても、「もう少し考
えてからにしよう」などと止める声はあまり聞かれません。
その結果、お金も人も情報も集まりやすいことになります。
被害が小さく、時間もお金も普通の人が対処可能な範囲においては。
(規模を超えた例として、阪神淡路大震災があります。東日本大震災もまさ
にそのような状態です。)
でも、
「行動の結果のゴール」は元のままがいいのか?
その方法は無意識でできる行動で対処していいのか?
は、常に考える必要があります。
ここでの危機管理マネジメントは、
まず「人は元と同じ状態に戻そうと自動的に反応するものである」と理解し
た上で、
「どの程度」
「いつまでに」
を常に問いかける必要があるでしょう。
緊急時に付加価値を付ける必要はありませんが、お客様にとって「普通の状
態」のレベルにするだけで十分と言えるでしょう。
できることであるならば、平常時から二,三手先までの手を考えておいて、
何事もなければ定期的にその通りに進み、緊急時直後にはこの手を取り入れる
ことをしたいものです。
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今回の体験から二つの危機管理マネジメントについて述べました。
●災害時の治療優先順位を決める救急トリアージと同じで、
「通常通りに正常な部分を運営し続けるグループ」と「障害を解消するため
行動するグループ」に分け、両方をきちんと見続ける。
●まず「人は元と同じ状態に戻そうと自動的に反応するものである」と理解し
た上で、
「どの程度」
「いつまでに」
を常に問いかける必要がある。
緊急時に付加価値を付ける必要はないので、お客様にとって「普通の状態」
のレベルにするだけで十分である。
できることであるならば、平常時から二,三手先までの手を考えておいて、
何事もなければ定期的にその通りに進み、緊急時直後にはこの手を取り入れた
い。
あなたは、今回の出来事から、何を学びましたか?
何に気づきましたか?
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若狭 喜弘(Yoshi)
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