リーダーが感情のままに発言したり行動したら大問題?
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仕事のプロのためのコーチング技術 MINI 2015/02/27
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リフレクション・コーチング の若狭 喜弘(Yoshi:よし)です。
京都チャプター(日本コーチ協会)2月例会のテーマは、
「部下を育成するリーダー力」
メインテーマの一つは、
「部下を育成するリーダーのコンピテンシーを作成する」
でした。
※コンピテンシー:実績を上げている人の行動パターン
(「行動特性」とも言うけれど、勘違いを生みそうなので、
この表現を使います)
---------------------
参加者の方が、自分自身のコンピテンシーをつくるために、
【部下を育成するリーダーのコンピテンシーを満たす行動の例】
を提示したのです。
その一部にこのような表現をしました。
~~~~~~~~~~~~
①リーダーとしての自分自身を整えている。(あり方)
・自分自身の感情を大切にしている。(気分、直感など)
・自分を冷静に観察している。
・自分を正直に表現している。(自分のエゴも、自覚し、たのしむ)
~~~~~~~~~~~~
そうしたら、こんな「反論」というか、意見が出てきました。
「リーダーが感情のままに発言したり、行動したら大問題ですよね?」
さあ、なんて答えましょうか?
---------------------
その場で語ったことの結論をとっとと書いてしまうと、
「もちろん、時と場合によります。
でも、リーダーは、感情を開き、心を開いている必要はありますよね?」
・・・・・。
全然回答になっていなかったように感じたので、今この記事を書いてるんだな。きっと。
---------------------
本当のところ、なんて答えればよいでしょうか?
あなたはどう考えますか?
---------------------
僕はですね。
このことが頭から離れなくていました。
やっと気づきました。
・「感覚」と「価値判断(ジャッジ)」をごっちゃにしている。
・「感情を表す」を「感情的な表現を使う」と読み違えている。
・心を開いて生きていたら、「我を忘れて感情的な表現をしてしまうような、
嫌な人との出来事、嫌な出来事」は起こりにくい。たとえ起こっても、
自分の感情を冷静に見られるので、すぐに収まり、感情的な表現を
することは無い。
※感覚:痛い、苦しい、しんどい、ムカムカ、嬉しい、ほかほか、鋭い、楽しい、ワクワク、ピクピク、明るい、押される、寒い、冷たい、温かい、落ち着かない、違和感など、「だからどう」という判断が無い、身体が感じたままの感覚。
※価値判断(ジャッジ):好き嫌い、正しい間違っている、良い悪い、などの価値判断。そのベースには、常識、世界観、習慣、価値観、守っているもの、過去の経験、属している組織、学習歴、周りにいる人の傾向の影響を受けている。さらにそのベースには、「どちらか決めなければならない」、もっというと「賛成しなければならない」という無言の圧力を感じてのことかもしれない。
「価値判断」って、要は「好き嫌い」で、「直感」です。
本当の『直感』は別物なので区別した方がいいのですが、
「正しいのはこちら」という閃きが「直感」と呼ばれることがあります。
「感覚」には、価値判断(ジャッジ)が含まれません。
だから、「感覚」を言葉にして
「そんな風に振舞われると、落ち着かない気持ちになるんだ」
と言われても、受け取ることは簡単です。
中には、「お前の立場で偉そうに!」と、「価値判断(ジャッジ)」で返す人もいます。
「価値判断が含まれていて、自分を否定された」と勝手に感じているからですね。
「価値判断」には、「価値判断」で反応してしまいます。
人間の不思議です。
話を戻して、
基本的に「感覚」を伝えられても、攻撃されている感覚はないので、受け取る方としては問題なく「この人はこんな感覚でいるんだな」と受け止めることができます。
まずは、これを自分自身でとらえ、言葉にするトレーニングが必要です。
---------------------
「感覚」を表現することができるようになったら、
自分の「感情」も理解できるようになっています。
「理解できる」とは、「客観的に眺めることができる」ということなので、
「感情がすっと消える」のを待ってもいいですし、
「感情を載せて相手に伝える」のでも構いません。
人に何かを伝えるときには、「客観的な言葉」よりも「感情を載せた言葉」です。
ここまで書くと、元々の表現
~~~~~~~~~~~~
①リーダーとしての自分自身を整えている。(あり方)
・自分自身の感情を大切にしている。(気分、直感など)
・自分を冷静に観察している。
・自分を正直に表現している。(自分のエゴも、自覚し、たのしむ)
~~~~~~~~~~~~
は、全く別物のように見えてくるのではないでしょうか?
「感情」を使うときに、「自分の価値判断(ジャッジ)」をごっちゃにしてしまっているから、「感情的な言葉を使ってはいけない」と言われるのです。
本来、「感情」とはニュートラルなものです。
正しいものではないし、間違っているものでもない。
「価値判断(ジャッジ)」とは無関係です。
自分が「そう感じよう」と思って努力しても、「感じる」ことはできないし、
「感じないようにしよう」と思っても、「感じて」しまいます。
どこからともなくやってきます。
上記のリストでは、さらに
(自分のエゴも、自覚し、たのしむ)
とまで書いています。
楽しむしかないのです。
---------------------
で、そんなリーダーは魅力的ではないでしょうか?
それができる人は、部下が「感情を表現する」ことを認められます。
付き合いやすいリーダーですね。
「感情を出せ」と強要されないのであれば、
少なくとも、僕はそう思います。
そう。
困るのは、「感情を出せ」という人の中には、
「私が好ましく感じる、感情を表現しろ」という人もいることです。
そうやって、結局は「価値判断(ジャッジ)」から逃れられないリーダーもいます。
もちろん、必要な時には「判断しないといけない」ので、100%いつでも「価値判断してはいけない」とは言いません。
---------------------
1つ書いておくと、「価値判断(ジャッジ)」する人は、「パターンを決めて、手を抜いている」のです。
人と人との間のつながり方、『コミュニケーション』の手を抜いてはいけません。
この記事のもともとの話題の出発点、「部下を育成するリーダー力」のためには、手を抜いてはいけません。
それもありますし、
リーダーが「感情を大切にし、感情を表現している」としたら、
それは、「自然に呼吸していること」と同じことです。
ぜひ、このようなリーダーでいてください。
リーダーの役割を果たすのは、その先です。
若狭 喜弘(Yoshi)
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