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英語の語順で日本語を話す

公開日: : プロが使うコーチングMINI

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 仕事のプロのためのコーチング技術 MINI 2013/03/28
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 『原点』を一緒に創るコーチ 若狭 喜弘(Yoshi:よし)です。

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 人が生きる力の源泉『原点』を一緒に創るコーチの若狭 喜弘(Yoshi:わ
かさま)です。

 コーチングで大切なことは、クライアントにロジカル(論理的)な思考回
路を持ってもらうことです。

    「英語の語順で、日本語を話す」

 これができるようにするためのトレーニングのトレーナーのつもりで、ク
ライアントと接してください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ところで、

 「クライアントにロジカル(論理的)な思考回路を持ってもらうこと」

 と書き出すと、誤解を与えそうですね。

 クライアントの話が必ず整合性が取れていないといけないかというとそん
なことはありません。
 整合性が取れた話というのは、過去に考えて結論が出たお話です。
 そんなことをコーチングの場で話してもらっても、意味がありません。

 コーチの立場の人が、ある出来事(例えば事故など)について、納得させ
てほしいというのであれば、「整合性がとれている」ことは大切です。
 事実はどうであれ、事情は複雑であったとしても、「わかりやすく」「受
け取りやすい」ものを求めることになります。

 でもそれは、コーチングではありません。
 「上司が報告を受ける」そのものです。
 それも、会社や聞いているコーチ自身に非がないことを確認する場のよう
なものです。

    「クライアントに、ロジカルに整合性を取れた話をさせる」

 という発想だと、コーチングにはなりません。

 コーチングで大切なのは、

    クライアントから「言葉になっていない言葉を紡いでもらう」

 ことです。
 整合性がとれているかどうかは、まったく関係ありません。

 それに、「話をさせる」なんて、なんて偉そうなんでしょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 それでもコーチングでは、クライアントに「ロジカルに」話してもらう必
要があります。

 コーチングにはもう一つ大切なことがあります。

    クライアントが主体的であること

 です。
 「主体的」とは、どういうことでしょうか?

    「私は」で話し始める

 ことです。
 ほかの誰のことでもない、

    クライアントが
    「自分が感じて」、
    「自分が望み」、
    「自分が行動すること」

 これらを話してもらうのがコーチングです。
 それを話す際にクライアントが抵抗を感じるようであれば、それはコーチ
の問題です。

 クライアントに自覚を持って行動してもらうことと、
 クライアントに全責任を覆いかぶせること
 とは全く違います。

 クライアントに

    「何を話しても、言葉尻を捕まえて責任を取らせられないし、
     日頃思っていること、感じていることを話しても
     嫌な顔をされないし、ほかに報告されないし、説教もされない。
     この場は、自分が考えを整理するための時間で、
     自分が選びたいことだけを選んでいいし、自由だ。」

 と感じさせる場を作らないといけないのです。

 ともかく、

    クライアントが主体的であること

 が大切です。
 そのためには、「主語(=私は)」が明確である必要があります。
 「主語」の人物が、「自ら行動する」ことが必要です。

 「○○だったらいいなあ」
 と漠然と考えていても、望む結果はやってきてくれません。

 「誰が」「何を」「いつ」「どうする」

 これらをはっきりさせる必要があるのです。
 このことを、

    「クライアントにロジカル(論理的)な思考回路を持ってもらうこ
     と」

 と、記しました。

 要は、

    「英語の語順で、日本語を話す」

 を意識してください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「ロジカル」な話し方は、

    「私は」+「結論」+「理由」

 とすることです。
 決して、「直感で」「何となく」ではダメなんです。

 もちろん、「直感」も大切です。
 ですが、「直感」は、経験を十分に積んだうえで、「今、その場で、自分
がたった一人で判断しなくてはいけない時」に使うものです。

 そうでないときの「直感」は、「当てずっぽう」「適当」と言います。
 これらは、「直感」ではないのです。
 もっと研ぎ澄まされたものです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 コーチングの時間の組み立ては、

    ●自由に、思いを語ってもらう時間
    ●クライアントが直後から行動する内容について、「誰が」「何を」
     「いつ」「どうする」を話してもらう時間

 となりますね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 このような、「ロジカルな思考回路」を使うトレーニングは、スポーツで
行われています。
 サッカーのユースチームでも取り入れられているそうです。

 それは何故か?

 サッカーは、グラウンドに入ってしまったら、選手が自分で考え、直感を
受け、自らの責任で行動しなければならないからです。
 監督の指示を仰いでいてはいけないのです。
 そんな時間はありません。

 それに、一旦自分で判断を下して行動をすると、次の場面で生きてきます。
 監督の指示通りに動いていると、その場面では正しい結果が得られるかも
しれませんが、次もまた指示を受けなくてはいけません。

 そのような意味で、「ロジカルな思考回路」を使うトレーニングを行って
いるようです。
 それは、体罰とは無縁の世界です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 話が横道に逸れてしまいましたが、コーチングの後に起こる行動は、
 サッカーの選手と同様に、

 「クライアントが自らの責任で行動すること」

 が求められています。

    ●クライアントが直後から行動する内容について、「誰が」「何を」
     「いつ」「どうする」を話してもらう時間

 この視点で、
 クライアントがニコニコと楽しそうに話せる雰囲気をつくった上で、
 話を聴いて差し上げて下さい。

※「コーチ」は、「上司」でなくても、クライアントにとって強い立場とい
う暗黙の認識があります。
 そこで、「クライアントの責任をはっきりさせる」という姿勢だけだと、
クライアントにかなりのプレッシャーをかけることはご理解いただけますね。
 まずは、「やらせなきゃ、こいつは自分からは動かない」という思いを脇
に置いてください。
 そうでないと、それはコーチングではありません。
 ” 体罰 ” をしてでも、思い通りに動かしたくなります。

                  若狭 喜弘(Yoshi)

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